メッセージ 第5号(2002年4月)

『GROOVE修業の旅』part.2

「ここにいる君たち全員が、一人残らずそれぞれの自分の魅力・タレント(才能)を持っている。
レッスンではなく、本番リハーサルと思って、真剣に自分を表現して欲しい。」
この芝居のセリフのような一言でクラスが始まる。
腰に手をあてたり、ストレッチしたり、バンダナを縛り直したり、鏡の中の自分を睨んだり…
思い思いの仕草で、皆が頷く。(鏡に映る自分を意識してるから、まんま絵になってるわけー)

最前列はやはり、自信あるクラスの常連やチームメイトだ。
どこに陣取るか、かなり精神状態や性格が出る。
Mariは元来どこでも一番前の先生の動きが盗める所に行くタイプだけど、さすがに下がった。
とは言っても3列目…(笑)

有名な逸話があって、かつて日本の某有名グループがやってきて初日は意気軒高、最前列にずら
っと陣取ったのだが、2日目は2列目へ、3日3列目と移動、とうとう一番後に下がったと思っ
たら、二度と来なくなってしまったと言う。

まあ、ほんとうにいろいろあったけど、次の驚きは、カウントの取りかただった。
「いちとお、にいとお、」じゃないのは当然。
でも「one and two and….」でもない!  
どの先生も、こうくる!
「Bun! pa! chikishee!! padun!」
そう!音でくるの。1234なんて絶対カウントしない。動きはすべて常に音と共にあり、振り
付けとはサウンドに付けるもの、時にはドラム、時には歌、時にはベースライン…数をカウント
するなんて、踊りじゃないのだ!??!

皆がついてこれない時、決まらない時、必ず先生は言う。どの先生もだ。
「もっと音を聴いて!感じるんだ!違うっ!踊らなくていいから、音に集中して!
もう一回、Bubunn bun dadada わかるかよく聴いて!」
日本語だとかなりクサイけど、要するに

[Feel]
これは、ヒジョーに奥が深い言葉だった。あと、

[Power]

[Energy]

うまい下手じゃなく、踊る時のハートが変わった。
踊りがちょっとだけ見えて、下手なりに急に面白く、楽しくなった。
体が解きはなたれたかのように音と一緒に動きはじめた。
メチャ気持ちイイ!

音楽も絵も何もかも、きっと同じなんだ。まず心が動いて、声が、体が動く。こんな簡単で当た
り前のこと…忘れちゃうんだなあ…
さっきまで、Mariは何やってたんだろう?

BIBIはすぐに気付いたみたい。ウインクよこしてきた。 
ベテランのダンサーがふたり、擦れ違いざまに肩や背中をポンッとたたいてくれた。

すごく嬉しかった。

「来てよかったぁ♪」

帰りにいつもの大きなスーパーに寄って、チャイニーズ・デリ「PANDA・PANDA」でオレンジチキ
ンとブロッコリー炒めとチャー飯をテイクアウト注文。
で、気分がいいのでBig sizeのコーラも追加。
氷をカシャカシャいわせながら、BIBIと乾杯した。

「かんぱーい!」